三略 / 上略
軍讖曰:內貪外廉,詐譽取名,竊公為恩,令上下昏,飾躬正顏,以獲高官,是謂盜端。
新字:軍讖曰:内貪外廉,詐誉取名,竊公為恩,令上下昏,飾躬正顏,以獲高官,是謂盗端。
書き下し
軍讖に曰く、内は貪にして外は廉、詐りて誉れられて名を取り、公を竊みて恩と為し、上下をして昏からしめ、躬を飾り顔を正して、以て高官を獲る。是を盗端と謂う、と。
現代語訳
軍讖にこうある。内心では貪欲でありながら外面は清廉に見せかけ、いつわりの評判を作って名声を得て、公のものを盗んで自分の恩として与え、上と下の目を曇らせ、身なりを整え表情を取り繕って高い官職を手に入れる。こういう者を盗みの元凶という、と。
解説
外面だけを取り繕う偽の清廉さを、盗みの元凶と切り捨てた一段です。この人物の手口は具体的です。内心は貪欲なのに外では清廉を装う。虚像を作って評判を得る。そして公のものを自分の恩恵として配り、人心を買う。この最後の一手が最も悪質でしょう。会社の資源を使って自分の人望を築くのですから、組織は二重に損をします。現代の企業でも、この類型は珍しくありません。会社の予算や権限を自分の裁量であるかのように使って部下の忠誠を集める管理職。実績以上に社内政治で評価を積み上げる人物。彼らは往々にして身なりも言葉づかいも申し分なく、上からの評価も高い。だからこそ厄介なのです。見抜くには、その人が公の資源をどう扱っているか、そして誰に対して態度を変えるかを見ることです。人事評価が外面の印象に依存している組織ほど、こうした人物を上に引き上げてしまいます。
この章句が説くこと
偽りの清廉公私混同人事評価の落とし穴盗端
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