三略 / 上略
軍讖曰:上行虐,則下急刻。賦重斂數,刑罰無極,民相殘賊,是謂亡國。
新字:軍讖曰:上行虐,則下急刻。賦重斂数,刑罰無極,民相残賊,是謂亡国。
書き下し
軍讖に曰く、上に虐を行えば、則ち下は急刻なり。賦重く斂ること数しばにして、刑罰極まり無く、民は相い残賊す。是を亡国と謂う、と。
現代語訳
軍讖にこうある。上に立つ者が過酷なふるまいをすれば、下の者もまた厳しく苛烈になる。税は重くたびたび取り立てられ、刑罰には際限がなく、民は互いに傷つけ合う。これを亡国という、と。
解説
上の過酷さは、そのまま下に伝染するという指摘です。上が虐げれば、下も苛烈になる。重税と過剰な刑罰が続けば、民は互いを傷つけ合うようになり、国は滅びに向かう。ここで描かれているのは、抑圧が最終的に組織の内部崩壊として現れるという構図です。上から押しつけられた過酷さは、下の者どうしのぶつかり合いへと形を変えるのです。現代の組織でも、この連鎖はよく見られます。経営が現場に無理な目標と厳しい罰則を課すと、管理職はさらに強く部下を締め上げ、現場では責任の押しつけ合いや足の引っ張り合いが始まります。社内の空気が殺伐としているとき、その原因は現場の人間性にあるのではなく、上から降りてくる圧力の形にあることが多いのです。組織の雰囲気は上から下へ流れます。部下どうしの争いが目についたら、まず自分の課している圧力を点検すること。この段はそう促しています。
この章句が説くこと
上の虐政圧力の連鎖内部崩壊組織風土
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