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三略 / 上略

夫為國之道,恃賢與民,信賢如腹心,使民如四肢,則策無遣。所適如肢體相隨,骨節相救,天道自然,其巧無間。

新字:夫為国之道,恃賢与民,信賢如腹心,使民如四肢,則策無遣。所適如肢体相随,骨節相救,天道自然,其巧無間。

書き下し

夫れ国を為むるの道は、賢と民とを恃む。賢を信ずること腹心の如く、民を使うこと四肢の如くならば、則ち策に遺ちる無し。適く所は肢体の相い随い、骨節の相い救うが如し。天道自然にして、其の巧みなること間無し。

現代語訳

およそ国を治める道は、賢者と民とを頼みとするところにある。賢者を信頼することわが腹心のようにし、民を用いることわが手足のようにするなら、施策に手落ちはなくなる。その動きは、手足が体に従い、骨と関節が互いに助け合うようなものだ。それは天の道のままに自然であって、その巧みさには少しの隙もない。

解説

国を治める土台は賢者と民である、と説く一段です。賢者は腹心のように信頼し、民は手足のように用いる。この比喩が秀逸なのは、組織を一つの生きた身体として描いている点にあります。頭が考え、手足が動き、骨と関節が互いに支え合う。命令と実行が別々のものではなく、一つの身体の自然な連動として起こるとき、施策に抜け落ちはなくなるというのです。現代の企業でいえば、賢者は幹部や専門人材、民は現場の社員にあたるでしょう。経営者が幹部を疑いながら使い、現場を数字だけで管理していては、身体はぎくしゃくと動きます。逆に、任せた相手を心から信じ、現場が自分の意志で動ける状態をつくれば、指示を待たずに部門どうしが助け合うようになります。組織を機械ではなく身体として捉える。この視点が、しなやかで隙のない経営を生みます。

この一句を、あなたの毎日に。

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