菜根譚 / 後集
茶不求精而壷亦不燥。酒不求冽而樽亦不空。素琴無絃而常調,短笛無腔而自適。縱難超越羲皇,亦可匹儔荊嵆阮。
新字:茶不求精而壷亦不燥。酒不求冽而樽亦不空。素琴無絃而常調,短笛無腔而自適。縦難超越羲皇,亦可匹儔荊嵆阮。
書き下し
茶は精を求めずして壺も亦た燥かず。酒は冽を求めずして樽も亦た空しからず。素琴は絃無くして常に調い、短笛は腔無くして自ら適す。縦い羲皇を超越し難くとも、亦た荊・嵆・阮に匹儔すべし。
現代語訳
茶は精妙さを求めなくても、急須が乾くことはない。酒は清冽さを求めなくても、樽が空になることはない。飾りのない琴は絃がなくても常に調い、短い笛は節がなくても自ずと適う。たとえ伏羲の世を超えることは難しくとも、荊軻や嵇康や阮籍には並べるだろう。
解説
最高の品質や豪華さを追い求めることは、時に尽きることのない渇望を生み出します。しかし、この一節は、質素なものでも十分に満たされる心のあり方を教えてくれます。高価な茶や酒でなくても、急須が乾くことはなく、樽が空になることもない。飾らない琴や笛でも、心は満たされるのです。外的な豊かさや完璧さを求めすぎず、今あるものに満足し、その中で工夫を見出すことで、心はより穏やかで満たされた状態になるでしょう。
この章句が説くこと
茶不求精而壺亦不燥素琴無絃而常調短笛無腔而自適