菜根譚 / 後集
天運之寒暑易避,人世之炎凉難除。人世之炎凉易除,吾心之氷炭難去。去得此中之氷炭,則滿腔皆和氣,自隨地有春風矣。
新字:天運之寒暑易避,人世之炎凉難除。人世之炎凉易除,吾心之氷炭難去。去得此中之氷炭,則満腔皆和気,自随地有春風矣。
書き下し
天運の寒暑は避け易く、人世の炎涼は除き難し。人世の炎涼は除き易く、吾が心の氷炭は去り難し。此の中の氷炭を去り得ば、則ち満腔は皆な和気にして、自ら地に随いて春風有らん。
現代語訳
天の運行の寒さ暑さは避けやすいが、人の世の手のひら返しは除きがたい。人の世の手のひら返しは除きやすいが、自分の心の氷と炭は去りがたい。この心の中の氷と炭を去ることができれば、腹いっぱいがみな和やかな気となり、自ずとどこにいても春風がある。
解説
私たちは、自然の厳しさや他人の冷たさには対処しやすいと感じるかもしれません。しかし、本当に難しいのは、自分自身の心の中にある冷たさや熱さ、つまり偏見や怒り、執着といった感情を乗り越えることです。外の環境や他人の言動に振り回される前に、まず自分の心と向き合い、内面の調和を整えることが肝要です。心の中のわだかまりが解消されれば、どんな状況にあっても穏やかで温かい気持ちでいられるでしょう。
この章句が説くこと
天運之寒暑易避人世之炎涼難除吾心之氷炭難去