菜根譚 / 後集
子生而母危,鏹積而盜窺,何喜非憂也。貧可以節用,病可以保身,何憂非喜也。故達人當順逆一視而欣戚兩忘。
新字:子生而母危,鏹積而盗窺,何喜非憂也。貧可以節用,病可以保身,何憂非喜也。故達人当順逆一視而欣戚両忘。
書き下し
子生まれて母危うく、鏹(きょう)積みて盗窺う。何の喜びか憂いに非ざらん。貧しければ以て用を節すべく、病めば以て身を保つべし。何の憂いか喜びに非ざらん。故に達人は当に順逆を一視して欣戚を両つながら忘るべし。
現代語訳
子が生まれれば母が危うく、銭を積めば盗人が窺う。どの喜びが憂いでないだろう。貧しければ用を節約でき、病めば身を保てる。どの憂いが喜びでないだろう。だから達した人は、順境も逆境も一つに見て、喜びも悲しみも両方忘れるべきだ。
解説
喜びの中には常に憂いの種があり、憂いの中にもまた喜びのきっかけが隠されています。例えば、新しい命の誕生には喜びがある一方で、親としての責任や不安も伴いますし、貧しさから節約を学び、病気から健康の大切さに気づくこともあります。物事を良いか悪いかだけで判断せず、喜びも悲しみも表裏一体と捉えることで、どんな状況でも心を穏やかに保つことができるでしょう。
この章句が説くこと
何喜非憂也何憂非喜也達人当順逆一視而欣戚両忘