菜根譚 / 後集
機息時,便有月到風來,不必苦海人世。心遠處,自無車塵馬迹,何須痼疾丘山。
新字:機息時,便有月到風来,不必苦海人世。心遠処,自無車塵馬迹,何須痼疾丘山。
書き下し
機息む時は、便ち月到り風来たる有り。必ずしも苦海の人世ならず。心遠き処は、自ら車塵馬迹無し。何ぞ須らく丘山に痼疾せんや。
現代語訳
はかりごとの心がやめば、月が来て風が来る。必ずしも苦海の人の世ではない。心が遠ければ、自ずと車の塵や馬の跡もない。どうして山に病みつく必要があろう。
解説
あれこれと企んだり、計算したりする心を静めれば、月が輝き、風が心地よく吹くような穏やかな心境になれます。必ずしも世の中が苦しい場所だと感じる必要はありません。心が俗世の喧騒から離れていれば、たとえ都会の真ん中にいても、車の埃や馬の足跡といった煩わしさは気にならなくなります。わざわざ山奥に隠遁しなくても、心の持ち方一つで、どこにいても穏やかな境地を見出すことができるのです。
この章句が説くこと
機息時便有月到風来不必苦海人世心遠処自無車塵馬迹
関連する章句
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『酔古堂剣掃』集韻・心遠ければ自ら車塵馬跡無し機息めば便ち月到り風來る有り、必ずしも人世を苦海とせず。 心遠ければ自ら車塵馬跡無し、何ぞ丘山を痼疾とするを須ひん。
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『酔古堂剣掃』集醒・眼前時に月到り風來る世上の塵氣を撥開すれば、胸中自ら火炎冰兢無し。 心中の鄙吝を消卻すれば、眼前時に月到り風來る有り。
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菜根譚・後集蘆花の被の下、雪に臥し雲に眠り、一窩の夜気を保全し得たり。竹葉の杯の中、風に吟じ月を弄び、万丈の紅塵を躱離(だり)し了る。
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菜根譚・後集心地の上に風濤無くんば、随在皆な青山緑樹なり。性天の中に化育有らば、触るる処に魚躍り鳶飛ぶを見る。
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菜根譚・後集山居すれば胸次は清洒なり。物に触れて皆な佳思有り。孤雲野鶴を見て、超絶の想を起こし、石澗流泉に遇いて、澡雪の思いを動かす。老檜寒梅を撫して、勁節挺立し、沙鷗麋鹿を侶として、機心頓に忘る。若し一たび塵寰に走り入らば、物の相い関せざるを論ずる無く、即ち此の身も亦た贅旒(ぜいりゅう)に属せん。
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菜根譚・後集雪夜月天に当たらば、心境は便ち爾(しか)く澄徹たり。春風和気に遇わば、意界も亦た自ら沖融たり。造化と人心と、混合して間無し。
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