菜根譚 / 後集
笙歌正濃處,便自拂衣長往,羨達人撒手懸崕。更漏已殘時,猶然夜行不休,咲俗士沈身苦海。
新字:笙歌正濃処,便自払衣長往,羨達人撒手懸崕。更漏已残時,猶然夜行不休,咲俗士沈身苦海。
書き下し
笙歌正に濃なる処、便ち自ら衣を拂いて長く往くは、達人の手を懸崖に撒(はな)つを羨む。更漏已に残る時、猶然として夜行して休(や)まざるは、俗士の身を苦海に沈むるを咲(わら)う。
現代語訳
笙と歌がまさに盛りの所で、自ら衣を払って立ち去る。それは、達人が崖の上で手を放つ潔さを羨むのだ。時を告げる漏刻がすでに残り少ない時、なお夜道を歩いてやめない。それは、俗人が身を苦海に沈めるのを笑うのだ。
解説
宴の最中に、立ち去る。夜が更けても、歩き続ける。前者は達人、後者は俗人。引き際を知っているかどうかです。盛りの時に去るのは、難しい。しかし、去るなら盛りの時しかないのです。