菜根譚 / 後集
風花之瀟洒,雪月之空清,唯靜者為之主。水木之榮枯,竹石之消長,獨閒者操其權。
新字:風花之瀟洒,雪月之空清,唯静者為之主。水木之栄枯,竹石之消長,独閒者操其権。
書き下し
風花の瀟洒、雪月の空清は、唯だ静者のみ之が主と為る。水木の栄枯、竹石の消長は、独り閑者のみ其の権を操る。
現代語訳
風と花の瀟洒さ、雪と月の清らかさは、ただ静かな者だけが、その主となる。水と木の栄え枯れ、竹と石の消え長ずるは、ただ閑かな者だけが、その権を握る。
解説
美しい景色や豊かな自然は、誰のものでもなく、誰でも自由に味わえるものです。しかし、その美しさを心から感じ取れるのは、心に静けさを持つ人だけだと言えるでしょう。忙しさや雑念に追われていると、目の前を通り過ぎる景色も、ただの背景としてしか映らないかもしれません。立ち止まり、心を落ち着けて周囲を見渡すことで、日々の暮らしの中にあるささやかな美しさや変化に気づくことができます。それは、所有することではなく、感受することによって得られる、豊かな心の体験です。
この章句が説くこと
風花之瀟洒雪月之空清唯静者為之主独閑者操其権自然
関連する章句
-
菜根譚・後集林間の松韻、石上の泉声、静裡に聴き来たらば、天地自然の鳴佩を識る。草際の煙光、水心の雲影、閑中に観じ去らば、乾坤最上の文章を見る。
-
菜根譚・後集簾櫳(れんろう)高く敞(ひら)き、青山緑水の雲煙を呑吐するを看て、乾坤の自在を識る。竹樹扶疏として、乳燕鳴鳩の時序を送迎するに任せ、物我の両忘を知る。
-
菜根譚・後集歳月は本と長し。而して忙しき者は自ら促(せま)る。天地は本と寛し。而して鄙しき者は自ら隘(せま)し。風花雪月は本と閑なり。而して労攘する者は自ら冗なり。
-
菜根譚・後集趣を得るは多きに在らず。盆池拳石の間に、煙霞は具足す。景に会するは遠きに在らず。蓬窓竹屋の下に、風月は自ら賖(ゆた)かなり。
-
菜根譚・後集雪夜月天に当たらば、心境は便ち爾(しか)く澄徹たり。春風和気に遇わば、意界も亦た自ら沖融たり。造化と人心と、混合して間無し。
-
菜根譚・後集風月花柳無くんば、造化を成さず。情欲嗜好無くんば、心体を成さず。只だ我を以て物を転じ、物を以て我を役せざれば、則ち嗜慾も天機に非ざる莫く、塵情も即ち是れ理境なり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る