菜根譚 / 後集
優人傅粉調硃,效妍醜於毫端,俄而歌殘場罷,妍醜何在。弈者爭先競後,較雌雄於着子,俄而局盡子收,雌雄安在。
新字:優人傅粉調硃,効妍醜於毫端,俄而歌残場罷,妍醜何在。弈者争先競後,較雌雄於着子,俄而局尽子収,雌雄安在。
書き下し
優人は粉を傅(つ)け硃を調え、妍醜を毫端に効(あらわ)す。俄かにして歌残り場罷(や)む。妍醜何くにか在る。奕者は先を争い後を競い、雌雄を着子に較ぶ。俄かにして局尽き子収まる。雌雄安くにか在る。
現代語訳
役者は白粉を塗り紅を調え、美醜を筆先に表す。まもなく歌は終わり舞台は果てる。美醜はどこにあるのか。碁を打つ者は先を争い後を競い、優劣を石の置き方で比べる。まもなく局は尽き石は収まる。優劣はどこにあるのか。
解説
私たちは、日々の仕事や人間関係の中で、様々な役割を演じ、優劣を競い合っています。しかし、舞台の役者が演じ終えれば美醜の区別がなくなるように、また碁の対局が終われば勝敗の石が片付けられるように、多くの争いや評価は、その場限りで消え去るものです。今、真剣に取り組んでいることや、心を揺さぶられている出来事も、時間が経てばその意味合いが変わるかもしれません。一時的な結果や評価に囚われすぎず、より長い目で物事を見つめ直すことで、心の余裕が生まれるでしょう。
この章句が説くこと
俄而歌残場罷妍醜何在俄而局尽子収雌雄安在