菜根譚 / 後集
以我轉物者,得固不喜,失亦不憂,大地盡屬逍遙。以物役我者,逆固生憎,順亦生愛,一毛便生纏縛。
新字:以我転物者,得固不喜,失亦不憂,大地尽属逍遥。以物役我者,逆固生憎,順亦生愛,一毛便生纏縛。
書き下し
我を以て物を転ずる者は、得るも固より喜ばず、失うも亦た憂えず。大地は尽く逍遥に属す。物を以て我を役する者は、逆えば固より憎を生じ、順えば亦た愛を生ず。一毛も便ち纏縛を生ず。
現代語訳
自分で物を転がす者は、得ても喜ばず、失っても憂えない。大地はすべて自由の場となる。物に自分を使われる者は、逆らわれれば憎しみを生じ、従われれば愛着を生じる。一本の毛にも、たちまち束縛が生じる。
解説
私たちは日々の生活の中で、様々な出来事や感情に揺さぶられがちです。しかし、もし自分が物事の主導権を握り、状況を動かす側に立てれば、結果に一喜一憂することなく、心穏やかに過ごせるでしょう。反対に、物事に振り回されてしまうと、ほんの些細なことにも感情が動かされ、まるで一本の髪の毛に縛られるように身動きが取れなくなってしまいます。何かに直面した時、自分がその状況をどう捉え、どう行動するか。その選択こそが、心の自由を左右する鍵となります。
この章句が説くこと
以我転物者得固不喜失亦不憂以物役我者一毛便生纏縛