菜根譚 / 後集
人心有個真境,非絲非竹,而自恬愉。不煙不茗,而自清芬。須念淨境空,慮忘形釋。纔得以游衍其中。
新字:人心有個真境,非糸非竹,而自恬愉。不煙不茗,而自清芬。須念浄境空,慮忘形釈。纔得以游衍其中。
書き下し
人心に個の真境有り。糸に非ず竹に非ずして、自ら恬愉たり。煙ならず茗ならずして、自ら清芬たり。須らく念浄く境空しく、慮忘れ形釈けて、纔めて以て其の中に游衍するを得べし。
現代語訳
人の心に、一つの真の境地がある。琴でも笛でもないのに、自ずと安らかで楽しい。香でも茶でもないのに、自ずと清らかに香る。念が浄く境が空しく、思慮が忘れられ形が解けて、初めてその中に遊ぶことができる。
解説
人の心には、外からの刺激がなくても、それ自体で安らぎや喜び、清々しさを感じられる特別な場所があります。それは、高価なものや特別な体験によって得られるものではありません。この心の奥底にある真の境地に入るためには、余計な考えや執着を手放し、心を空っぽにすることが必要です。私たちはすでに心の内に豊かな世界を持っているのに、それに気づかず外ばかりに求めているのかもしれません。
この章句が説くこと
人心有個真境非糸非竹而自恬愉須念浄境空慮忘形釈