菜根譚 / 後集
烈士讓千乘,貪夫爭一文。人品星淵也,而好名,不殊好利。天子營家國,乞人號饔飧。位分霄壤也,而焦思,何異焦聲。
新字:烈士譲千乗,貪夫争一文。人品星淵也,而好名,不殊好利。天子営家国,乞人号饔飧。位分霄壤也,而焦思,何異焦声。
書き下し
烈士は千乗を譲り、貪夫は一文を争う。人品は星淵なり。而して名を好むは、利を好むに殊ならず。天子は家国を営み、乞人は饔飧(ようさん)を号す。位分は霄壌なり。而して思いを焦がすは、何ぞ声を焦がすに異ならん。
現代語訳
烈士は千乗の国を譲り、貪欲な者は一文を争う。人品は星と淵ほど違う。しかし名を好むことは、利を好むことと変わらない。天子は国家を営み、乞食は食事を求めて叫ぶ。位は天と地ほど違う。しかし思いを焦がすことは、声を焦がすことと変わらない。
解説
国を譲るような高潔な人物と、わずかなお金を争う貪欲な人物。天子と乞食。これらは社会的地位や人品において、天と地ほどの差があります。しかし、名誉を求める心も、利益を求める心も、その本質は「何かを求める」という点で同じです。また、地位が高くても低くても、思い悩む苦しみは変わりません。表面的な違いに惑わされず、その根底にある人間の普遍的な感情や行動の構造を見抜く視点を与えてくれます。
この章句が説くこと
人品星淵也而好名不殊好利位分霄壌也而焦思何異焦声