菜根譚 / 後集
狐眠敗砌,兎走荒臺,盡是當年歌舞之地。露冷黃花,煙迷衰草,悉屬舊時爭戰之場。盛衰何常,强弱安在。念此令人心灰。
新字:狐眠敗砌,兎走荒台,尽是当年歌舞之地。露冷黄花,煙迷衰草,悉属旧時争戦之場。盛衰何常,强弱安在。念此令人心灰。
書き下し
狐は敗砌に眠り、兎は荒台に走る。尽く是れ当年、歌舞の地なり。露は黄花に冷ややかに、煙は衰草に迷う。悉く旧時、争戦の場に属す。盛衰何ぞ常ならん。強弱安くにか在る。此を念えば人の心をして灰ならしむ。
現代語訳
狐は崩れた石段に眠り、兎は荒れた台を走る。みなかつては、歌と舞の地であった。露は黄色い花に冷たく、霞は枯れた草に迷う。すべてはかつての、戦いの場である。盛衰にどうして常があろう。強弱はどこにあるのか。これを思えば、人の心を灰にする。
解説
かつて歌舞が繰り広げられた場所も、激しい戦場となった地も、今は狐が眠り、兎が走り、枯れた草が茂るばかり。栄枯盛衰は世の常であり、強さも弱さも永遠ではありません。この世のすべてが移ろいゆくものだと深く考えると、今、必死に追い求めているものや争っていることの虚しさに気づき、心が静かに落ち着いていくことでしょう。
この章句が説くこと
尽是当年歌舞之地盛衰何常強弱安在