菜根譚 / 後集
眼看西晉之荊榛,猶矜白刃。身屬北邙之狐兎,尚惜黃金。語云:猛獸易伏,人心難降。谿壑易塡,人心難滿。信哉。
新字:眼看西晋之荊榛,猶矜白刃。身属北邙之狐兎,尚惜黄金。語云:猛獣易伏,人心難降。谿壑易塡,人心難満。信哉。
書き下し
眼は西晋の荊榛を看るも、猶お白刃を矜る。身は北邙の狐兎に属するも、尚お黄金を惜しむ。語に云う、「猛獣は伏し易く、人心は降し難し。谿壑は塡(うず)め易く、人心は満たし難し」と。信なるかな。
現代語訳
目は西晋の荒れ果てた茨を見ながら、なお白刃を誇る。身はやがて北邙山の狐や兎の餌になるのに、なお黄金を惜しむ。ことわざに「猛獣は服従させやすいが、人の心は降しがたい。谷は埋めやすいが、人の心は満たしがたい」とある。まことにそのとおりだ。
解説
歴史が示すように、かつて栄華を極めた場所も今は荒れ果て、いずれ誰もが土に還ります。それなのに、私たちは目先の権力や財産に執着しがちです。ことわざにあるように、猛獣を従わせるよりも人の心を満たす方が難しい。谷を埋めるよりも人の欲を満たす方が難しい。人の欲には際限がなく、その底なしの欲が、私たちを苦しめる原因となるのです。
この章句が説くこと
猛獣易伏人心難降谿壑易塡人心難満自己管理初心
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