菜根譚 / 後集
多藏者厚亡。故知富不如貧之無慮。高步者疾顛。故知貴不如賤之常安。
新字:多蔵者厚亡。故知富不如貧之無慮。高歩者疾顛。故知貴不如賤之常安。
書き下し
多く蔵する者は厚く亡う。故に知る、富は貧の慮り無きに如かざるを。高く歩む者は疾く顛(たお)る。故に知る、貴は賤の常に安きに如かざるを。
現代語訳
多く蓄える者は、多く失う。だから、富は貧しさの憂いのなさに及ばないと分かる。高く歩む者は、速く倒れる。だから、貴さは賤しさの常なる安らかさに及ばないと分かる。
解説
多くのものを所有すれば、それを失うリスクも増え、高い地位に上れば、転落する危険も高まります。富や名声は魅力的に見えますが、それらには常に失うことへの不安が伴います。むしろ、多くを持たない貧しさの中には、そうした心配のない安らぎがあり、低い地位には、常に安定した心の状態があります。何を得て、何を手放すか、そのバランスを考えることが、真の心の安寧に繋がるでしょう。
この章句が説くこと
多蔵者厚亡故知富不如貧之無慮高歩者疾顛