菜根譚 / 後集
機動的,弓影疑為蛇蝎,寢石視為伏虎。此中渾是殺氣。念息的,石虎可作海鷗,蛙聲可當鼓吹,觸機倶見真機。
新字:機動的,弓影疑為蛇蝎,寝石視為伏虎。此中渾是殺気。念息的,石虎可作海鷗,蛙声可当鼓吹,触機倶見真機。
書き下し
機の動く的(もの)は、弓影も疑いて蛇蝎と為し、寝石も視て伏虎と為す。此の中は渾て是れ殺気なり。念の息(や)む的は、石虎も海鷗と作すべく、蛙声も鼓吹に当つべし。機に触るれば倶に真機を見る。
現代語訳
心の働きが動く者は、弓の影を疑って蛇や蠍とし、伏した石を見て虎とする。この中はすべて殺気である。念が静まる者は、石の虎も鷗とすることができ、蛙の声も音楽とすることができる。何に触れても、みな真の働きを見る。
解説
疑いの心があれば、影も蛇に見える。静まった心なら、石の虎も鷗に見える。同じものを見ているのに、まるで違う。「この中はすべて殺気である」。世界が危険に見えるのは、自分の心が殺気立っているからです。