菜根譚 / 後集
悠長之趣,不得於醲釅,而得於啜菽飲水。惆悵之懷,不生於枯寂,而生於品竹調絲。固知濃所味常短,淡中趣獨真也。
新字:悠長之趣,不得於醲釅,而得於啜菽飲水。惆悵之懐,不生於枯寂,而生於品竹調糸。固知濃所味常短,淡中趣独真也。
書き下し
悠長の趣は、醲釅(のうげん)に得ずして、菽を啜り水を飲むに得。惆悵の懐は、枯寂に生ぜずして、竹を品し絲を調うるに生ず。固より知る、濃き所の味は常に短く、淡き中の趣は独り真なるを。
現代語訳
長く続く趣は、濃い酒には得られず、豆を啜り水を飲むところに得られる。物寂しい思いは、枯れた静けさからは生じず、笛を吹き絃を調えるところから生じる。もとより分かる。濃い味は常に短く、淡い中の趣だけが真実であることを。
解説
長く続く真の喜びは、刺激的なものや派手な出来事の中にはなく、日々のシンプルな営みの中にこそ見出せます。一方で、物寂しい気持ちは、何もない静けさからではなく、むしろ豊かな表現や感情に触れる中で生まれることがあります。つまり、濃密な体験は一瞬の満足をもたらしますが、淡々とした日常の中にこそ、長く心を満たす深い趣が宿っているのです。日々の小さな発見や穏やかな時間を大切にすることで、持続的な心の豊かさを育むことができるでしょう。
この章句が説くこと
悠長之趣不得於醲釅而得於啜菽飲水濃所味常短淡中趣独真也
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菜根譚・後集炎に趨り勢に附するの禍は、甚だ惨にして亦た甚だ速やかなり。恬に棲み逸を守るの味は、最も淡くして亦た最も長し。
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