菜根譚 / 後集
貪得者,分金恨不得玉,封公怨不受侯,權豪自甘乞丐。知足者,藜羮旨於膏梁,布袍煖於狐貉,編民不讓王公。
新字:貪得者,分金恨不得玉,封公怨不受侯,権豪自甘乞丐。知足者,藜羹旨於膏梁,布袍煖於狐貉,編民不譲王公。
書き下し
得るを貪る者は、金を分かちて玉を得ざるを恨み、公に封ぜられて侯を受けざるを怨む。権豪も自ら乞丐に甘んず。足るを知る者は、藜羹も膏梁より旨く、布袍も狐貉より暖かなり。編民も王公に譲らず。
現代語訳
得ることを貪る者は、金を分けられて玉が得られないことを恨み、公に封じられて侯を受けられないことを怨む。権勢ある豪族でありながら、自ら乞食に甘んじている。足るを知る者は、粗末な羹も美食より旨く、布の袍も狐の毛皮より暖かい。庶民でありながら、王公に譲らない。
解説
いくら多くのものを手に入れても、さらに多くを求める人は、常に不足を感じ、満たされることがありません。たとえ権力や富を持っていても、心は貧しい乞食同然です。しかし、今あるものに満足できる人は、質素な食事もご馳走に感じ、粗末な服も暖かく感じます。地位や財産に関わらず、心は王様のように豊かです。真の豊かさとは、どれだけ持っているかではなく、どれだけ「足りている」と感じられるかによって決まるのです。
この章句が説くこと
貪得者権豪自甘乞丐知足者編民不譲王公