菜根譚 / 後集
都來眼前事,知足者仙境,不知足者凡境。縂出世上因,善用者生機,不善用者殺機。
新字:都来眼前事,知足者仙境,不知足者凡境。縂出世上因,善用者生機,不善用者殺機。
書き下し
都(すべ)て眼前の事に来たる。足るを知る者は仙境、足るを知らざる者は凡境なり。総て世上の因に出づ。善く用うる者は生機、善く用いざる者は殺機なり。
現代語訳
すべては目の前の事に帰する。足るを知る者には仙境であり、足るを知らない者には凡境である。すべては世の因縁から出る。善く用いる者には生きる働きとなり、善く用いない者には殺す働きとなる。
解説
目の前で起こる出来事は、それ自体が善悪や幸不幸を決めるわけではありません。すべては、私たちがそれをどう受け止め、どう活かすかによって変わってきます。今あるものに満足できる心があれば、どんな状況でも仙境のように感じられるでしょうし、満足できなければ、平凡な日常も味気ないものになります。物事を前向きに捉え、活かす知恵があれば、それは生きる力となり、そうでなければ、かえって自分を苦しめる原因にもなりかねません。
この章句が説くこと
知足者仙境不知足者凡境善用者生機不善用者殺機