菜根譚 / 後集
賓朋雲集,劇飲淋漓樂矣。俄而漏盡燭殘,香銷茗冷,不覺反成嘔咽,令人索然無味。天下事率類此,人奈何不早回頭也。
新字:賓朋雲集,劇飲淋漓楽矣。俄而漏尽燭残,香銷茗冷,不覚反成嘔咽,令人索然無味。天下事率類此,人奈何不早回頭也。
書き下し
賓朋雲集し、劇飲淋漓たるは楽しからん。俄かにして漏尽き燭残り、香銷え茗冷ゆ。覚えず反りて嘔咽を成し、人をして索然として味無からしむ。天下の事は率ね此に類す。人は奈何ぞ早く頭を回さざるや。
現代語訳
客や友が雲のように集まり、大いに飲むのは楽しい。ところが、まもなく時が尽き蝋燭は燃え残り、香は消え茶は冷める。思わずかえって吐き気を催し、人を索然として味気なくさせる。天下の事は、おおむねこれに似ている。人はなぜ、早く頭を巡らせないのか。
解説
大勢の友と大いに飲み交わす宴は、確かに楽しいものです。しかし、やがて夜が更け、蝋燭が燃え尽き、香も茶も冷めると、あの高揚感はどこへやら、かえって空虚な気持ちになることがあります。世の中の楽しいことの多くは、この宴の後のような味気なさを伴うもの。私たちはそのことを知っているはずなのに、また同じような快楽を求めてしまう。そのサイクルから抜け出すために、一度立ち止まって考えてみませんか。
この章句が説くこと
劇飲淋漓楽矣天下事率類此人奈何不早回頭也