菜根譚 / 後集
心無物欲,即是秋空霽海。坐有琴書,便成石室丹丘。
書き下し
心に物欲無くんば、即ち是れ秋空霽海なり。坐に琴書有らば、便ち石室丹丘と成る。
現代語訳
心に物欲がなければ、それがそのまま秋の空と晴れた海である。座に琴と書があれば、そこが仙人の住む石室と赤い丘となる。
解説
心が物欲にとらわれなければ、その心は澄み切った秋の空や晴れた海のように穏やかでいられます。また、たとえ質素な環境でも、琴や書物といった心を満たすものがあれば、そこは仙人が住むような特別な場所に変わるでしょう。大切なのは、外の環境や所有物ではなく、自分の心の状態と、身の回りにあるわずかなものから喜びを見出すこと。そうすれば、どこにいても心豊かな境地を築けるはずです。
この章句が説くこと
心無物欲即是秋空霽海坐有琴書便成石室丹丘
関連する章句
-
菜根譚・後集人心に個の真境有り。糸に非ず竹に非ずして、自ら恬愉たり。煙ならず茗ならずして、自ら清芬たり。須らく念浄く境空しく、慮忘れ形釈けて、纔めて以て其の中に游衍するを得べし。
-
菜根譚・後集斗室の中、万慮都(すべ)て捐(す)てなば、甚(なん)ぞ画棟の雲を飛ばし、珠簾の雨を捲くを説かん。三杯の後、一真自ら得なば、唯だ素琴の月に横たわり、短笛の風に吟ずるを知るのみ。
-
菜根譚・後集胸中に既に半点の物欲無くんば、已に雪の鑪焔に消え冰の日に消ゆるが如し。眼前に自ら一段の空明有り。時に月の青天に在りて影の波に在るを見る。
-
菜根譚・後集寂を嗜む者は、白雲幽石を観て玄に通ず。栄に趨る者は、清歌妙舞を見て倦むを忘る。唯だ自得の士のみ、喧寂無く、栄枯無く、往くとして自適の天に非ざる無し。
-
菜根譚・後集幽人の清事は、総て自適に在り。故に酒は勧めざるを以て歓と為し、棋は浄からざるを以て勝と為す。笛は腔無きを以て適と為し、琴は絃無きを以て高しと為す。会は期約せざるを以て真率と為し、客は迎送せざるを以て坦夷と為す。若し一たび文に牽かれ迹に泥(なず)まば、便ち塵世の苦海に落ちん。
-
菜根譚・後集其の中を欲する者は、波は寒潭に沸き、山林も其の寂を見ず。其の中を虚しくする者は、涼は酷暑に生じ、朝市も其の喧を知らず。
人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る