菜根譚 / 後集
歲月本長。而忙者自促。天地本寬,而鄙者自隘。風花雪月本閒,而勞攘者自冗。
新字:歳月本長。而忙者自促。天地本寛,而鄙者自隘。風花雪月本閒,而労攘者自冗。
書き下し
歳月は本と長し。而して忙しき者は自ら促(せま)る。天地は本と寛し。而して鄙しき者は自ら隘(せま)し。風花雪月は本と閑なり。而して労攘する者は自ら冗なり。
現代語訳
歳月はもともと長い。しかし忙しい者は、自ら短くする。天地はもともと広い。しかし卑しい者は、自ら狭くする。風や花や雪や月はもともと閑かである。しかしあくせくする者は、自ら煩雑にする。
解説
時間も空間も、そして日々の出来事も、本来はゆとりがあり、豊かです。しかし、私たちが「忙しい」「狭い」「煩わしい」と感じるのは、外的な状況のせいばかりではありません。多くの場合、それは私たち自身の心のあり方や捉え方によるものです。焦りや偏見、執着といった内なる要因が、本来のゆとりを奪い、世界を窮屈に感じさせているのかもしれません。心の持ちよう一つで、世界の見え方は大きく変わることを教えてくれます。
この章句が説くこと
歳月本長而忙者自促天地本寛而鄙者自隘
関連する章句
-
菜根譚・後集延促は一念に由り、寛窄は寸心に係る。故に機閑なる者は、一日も千古より遥かに、意広き者は、斗室も両間の如く寛し。
-
菜根譚・後集風花の瀟洒、雪月の空清は、唯だ静者のみ之が主と為る。水木の栄枯、竹石の消長は、独り閑者のみ其の権を操る。
-
菜根譚・前集此の心、常に円満なるを看得ば、天下自ら缺憾の世界無し。此の心、常に寛平なるを放得ば、天下自ら険側の人情無し。
-
菜根譚・前集天地は寂然として動かず。而して気機は一息の少しの停まる無し。日月は昼夜に奔馳す。而して貞明は則ち万古に易(かわ)らず。故に君子は閒時には喫緊の心思有るを要し、忙処には悠閒の趣味有るを要す。
-
菜根譚・後集人生、太(はなは)だ閑なれば、則ち別念竊かに生ず。太だ忙しければ則ち真性現れず。故に士君子は身心の憂いを抱かざるべからず。亦た風月の趣に耽らざるべからず。
-
菜根譚・後集天地中の万物、人倫の万情、世界中の万事は、俗眼を以て観れば、紛紛として各々異なり、道眼を以て観れば、種種是れ常なり。何ぞ分別を煩わさん。何ぞ取捨を用いん。
人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る