菜根譚 / 前集
桃李雖豔,何如松蒼柏翠之堅貞;梨杏雖甘,何如橘綠橙黃之馨冽。信乎,濃夭不及淡久,早秀不如晚成也。
新字:桃李雖豔,何如松蒼柏翠之堅貞;梨杏雖甘,何如橘綠橙黄之馨冽。信乎,濃夭不及淡久,早秀不如晩成也。
書き下し
桃李は艶なりと雖も、何ぞ松蒼柏翠の堅貞なるに如かんや。梨杏は甘しと雖も、何ぞ橘緑橙黄の馨冽なるに如かんや。信なるかな、濃夭は淡久に及ばず、早秀は晩成に如かざるなり。
現代語訳
桃や李は華やかだが、松の蒼さや柏の翠の堅い節操に及ばない。梨や杏は甘いが、橘の緑や橙の黄の香り高い清冽さに及ばない。まことに、濃くて早く枯れるものは、淡くて長く続くものに及ばず、早く咲くものは、遅く成るものに及ばない。
解説
一時の華やかさや甘さは魅力的ですが、真に価値があるのは、地道に長く続く堅実さや清らかさです。例えば、流行を追うことよりも、普遍的な本質を追求する姿勢。短期的な成果に飛びつくよりも、時間をかけてじっくりと物事を育てる忍耐力。派手さはないけれど、確かな信頼と持続性を持つものこそが、最終的には豊かな実りをもたらします。焦らず、本質を見極めて歩むことの大切さを教えてくれます。
この章句が説くこと
濃夭不及淡久早秀不如晩成也何如松蒼柏翠之堅貞