菜根譚 / 前集
至人何思何慮,愚人不識不知,可與論學亦可與建功。唯中材的人,多一番思慮知識,便多一番臆度猜疑,事事難與下手。
新字:至人何思何慮,愚人不識不知,可与論学亦可与建功。唯中材的人,多一番思慮知識,便多一番臆度猜疑,事事難与下手。
書き下し
至人は何をか思い何をか慮らん。愚人は識らず知らず。与に学を論ずべく、亦た与に功を建つべし。唯だ中材の人のみ、一番の思慮知識多くして、便ち一番の臆度猜疑多し。事事与に手を下し難し。
現代語訳
至高の人は、何を思い何を慮ろうか。愚かな人は、識らず知らずである。どちらとも学を論じられ、どちらとも功を建てられる。ただ中くらいの才の人だけが、一段の思慮と知識が多い分、一段の憶測と猜疑が多い。何事も、共に手を下しにくい。
解説
本当に優れた人は、余計な思惑にとらわれず本質を見極め、また何も知らない人は素直に物事を受け入れます。どちらのタイプとも、共に学び、何かを成し遂げることが可能です。しかし、中途半端な知識や経験を持つ人ほど、あれこれと憶測や疑念を抱きがちで、なかなか行動に移せないことがあります。少し知っているがゆえに、かえって物事を複雑にし、協力を難しくしてしまう。この「中途半端な知識」こそが、時に最も厄介な障壁となるのです。
この章句が説くこと
唯中材的人多一番思慮知識便多一番臆度猜疑事事難与下手