菜根譚 / 前集
善讀書者,要讀到手舞足蹈處,方不落筌蹄;善觀物者,要觀到心融神洽時,方不泥迹象。
新字:善読書者,要読到手舞足蹈処,方不落筌蹄;善観物者,要観到心融神洽時,方不泥迹象。
書き下し
善く書を読む者は、手舞い足踏む処に読み到るを要す。方に筌蹄(せんてい)に落ちず。善く物を観る者は、心融け神洽(あまね)き時に観到るを要す。方に迹象に泥(なず)まず。
現代語訳
よく書を読む者は、手が舞い足が踏む所まで読み至るべきだ。そうしてこそ、道具にとらわれない。よく物を観る者は、心が融け精神が行き渡る時まで観至るべきだ。そうしてこそ、形にとらわれない。
解説
本当に深く書物を読む人は、その内容が体にしみ込み、思わず手足が動いてしまうほどに没頭します。表面的な知識に留まらず、それが自分の一部となるまで読み込むことで、初めて本質を捉え、形式にとらわれなくなるのです。また、物事を観察する際も、心が溶け合うように一体となるまで見つめることで、うわべの形に惑わされずに真実を見抜けるでしょう。深い理解は、知識を身体化する過程から生まれます。
この章句が説くこと
善読書者要読到手舞足蹈処方不落筌蹄善観物者要観到心融神洽時