菜根譚 / 前集
儉,美德也,過儉則為慳吝,為鄙嗇,反傷雅道;讓,懿行也,過讓則為足恭,為曲謹,多出機心。
新字:倹,美徳也,過倹則為慳吝,為鄙嗇,反傷雅道;譲,懿行也,過譲則為足恭,為曲謹,多出機心。
書き下し
倹は美徳なり。過ぎて倹なれば則ち慳吝と為り、鄙嗇と為る。反りて雅道を傷る。譲は懿行なり。過ぎて譲れば則ち足恭と為り、曲謹と為る。多く機心を出だす。
現代語訳
倹約は美徳である。倹約が過ぎれば、けちとなり、しみったれとなる。かえって雅な道を損なう。譲ることは立派な行いである。譲ることが過ぎれば、過度のへりくだりとなり、細かすぎる慎みとなる。多くは計算する心から出る。
解説
倹約は大切な美徳ですが、度を超すと単なるケチになり、心の豊かさを損ねてしまいます。また、人に譲ることは立派な行いですが、過剰なへりくだりは、かえって相手に不信感を与えかねません。この教えは、どんな美徳も行き過ぎると、その本質から外れ、時には打算的な心から生まれることさえあると警鐘を鳴らしています。表面的な行いだけでなく、その根底にある心のあり方を見つめ直すことが、日々の生活で真の美徳を育む上で重要となるでしょう。
この章句が説くこと
倹美徳也過倹則為慳吝譲懿行也過譲則為足恭多出機心謙虚驕り
関連する章句
-
易経・豫卦周易 第十六卦。坤下震上。易経。豫は、侯を建て師を行るに利ろし。初六、豫を鳴らす、凶。六二、介きこと石の于し、日を終えず、貞にして吉。六三、盱りて豫しむ、悔ゆ。遅ければ悔い有り。九四、由りて豫しむ、大いに得る有り。疑う勿かれ、朋盍ぞ簪まらざらん。六五、貞にして疾む、恒に死せず。上六、豫に冥し、成るも渝わる有り、咎无し。彖に曰く、
-
史記 魏公子列伝魏の公子無忌は、魏の昭王の少子にして魏の安釐王の異母弟なり。昭王薨じ、安釐王即位し、公子を封じて信陵君と為す。是の時、范睢魏を亡げて秦に相たり、魏斉を怨むの故を以て、秦の兵大梁を囲み、魏の華陽の下の軍を破り、芒卯を走らす。魏王及び公子これを患ふ。公子は人と為り仁にして士に下り、士は賢不肖と無く皆謙りて礼もてこれに交はり、敢へてその富貴を以て士に驕らず。士は此を以て方数千里争ひ往きてこれに帰し、食客三千人を致す。是の時に当たりて、諸侯は公子の賢にして客多きを以て、敢へて兵を加へて魏を謀らざること十余年。
-
『文武訓』文訓上之末一人は只、わが身をかへりみて、わが身のさかしおろかなると、才あるとつたなきとのほどを知りて、つねに人にへりくだり、わが身にほこるべからず。才智ありてもなくしても、わが身にほこりたかぶり、人をこのんで見くだし、又そしるは罪ふかし。いとおろかなりといふべし。
-
『慎思録』巻之六白楽天の詩に曰く、得る所皆望みに過ぐ、躬を省みれば良に愧づべしと。白氏は誠に是れ英才善行の人にして、其の言ふ所此くの如し。況んや吾才行無く、人に逮ばざること遠きをや。得る所望外に逾ゆと謂ふべし。韓非の人と為りや、口吃にして道説すること能はずして、善く書を著す。韓文公曰く、当世を化するは言に如くは莫く、来世を化するは書に如くは莫しと。篤信謂ふ、余口吃ならずと雖も、言詞拙陋にして、義理を道説すること能はず。且つ作文庸拙にして、書を著して人に示すこと能はず。蓋し言を出だし書を著すこと、両つながら之を失ふ。何を以て人を化することを得んや。唯だ自ら楽しむを以て事と為すのみ。
-
『驢鞍橋』卷上夜話に曰く、今時の人すべを知らす、餓鬼畜生をさへ離れすして、二乗見解と云つて声聞縁覚をそしる人あり、あまり土な事なり。人は知らず、我は餓鬼畜生を離れす、誰ほしと云はば、おれほしと云はんずと也。因に人問ふ、日本諸宗の大師先徳に、古は大修行底の人有りや。師曰、知らぬ事なり、残されたる法語等を以て見れば、経文語録の格を以て書示されたると見えたり。実に修行强き人有りとも見えすと也。
-
説苑・雜言孔子曰く、「富貴を以て人の下と為る者は、何人か与せざらん。富貴を以て人を敬愛する者は、何人か親しまざらん。衆言逆らわざるは、言を知ると謂う可し。衆之に嚮うは、時を知ると謂う可し」と。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る