菜根譚 / 前集
山之高峻處無木,而谿谷迴環則草木叢生;水之湍急處無魚,而淵潭停蓄則魚鼈聚集。此高絕之行,褊急之衷,君子重有戒焉。
新字:山之高峻処無木,而谿谷迴環則草木叢生;水之湍急処無魚,而淵潭停蓄則魚鼈聚集。此高絶之行,褊急之衷,君子重有戒焉。
書き下し
山の高峻なる処には木無し。而して谿谷の迴環すれば則ち草木叢生す。水の湍急なる処には魚無し。而して淵潭の停蓄すれば則ち魚鼈聚集す。此の高絶の行、褊急の衷は、君子は重ねて戒むる有り。
現代語訳
山の高く険しい所には木がない。しかし谷が曲がりくねれば、草木が生い茂る。水の急な所には魚がいない。しかし淵が水を溜めれば、魚や亀が集まる。この、高すぎる行いと、狭く急な心には、君子は重ねて戒めがある。
解説
高く険しい山には木が生えず、急流には魚が棲みません。自然界のこの摂理は、私たちの生き方にも通じます。あまりに高潔すぎたり、心が狭くせっかちすぎたりすると、周囲の人は近づきにくくなります。むしろ、谷のように低く、淵のようにゆったりと構え、多様なものを受け入れる懐の深さがあるからこそ、多くの人や情報、機会が集まってくるのです。清らかさだけでなく、包容力が大切だという教えです。
この章句が説くこと
山之高峻処無木而谿谷迴環則草木叢生此高絶之行褊急之衷