菜根譚 / 前集
讒夫毀士,如寸雲蔽日,不久自明;媚子阿人,似隙風侵肌,無疾亦損。
書き下し
讒夫の士を毀るは、寸雲の日を蔽うが如し。久しからずして自ら明らかなり。媚子の人に阿るは、隙風の肌を侵すに似たり。疾無くして亦た損なわる。
現代語訳
讒言する者が士を謗るのは、ひとひらの雲が日を覆うようなものだ。長くは続かず、自ずと明らかになる。へつらう者が人に迎合するのは、隙間風が肌を侵すのに似ている。病はなくとも、損なわれていく。
解説
他人を誹謗中傷する言葉は、一時的に真実を覆い隠す雲のようなものですが、やがて晴れて事実は明らかになります。しかし、人にへつらい、迎合する態度は、気づかないうちに体を蝕む隙間風に似ています。直接的な痛みがないため、その害に気づきにくいのです。安易な迎合は、自分自身の信念や価値観を少しずつ損ない、やがては人間性そのものを弱らせてしまう危険性があることを示唆しています。
この章句が説くこと
讒夫毀士如寸雲蔽日不久自明媚子阿人似隙風侵肌無疾亦損