菜根譚 / 前集
遇欺詐的人,以誠心感動之;遇暴戾的人,以和氣薰蒸之;遇傾邪私曲的人,以名義氣節激礪之;天下之人,無不入我陶冶中矣。
新字:遇欺詐的人,以誠心感動之;遇暴戻的人,以和気薫蒸之;遇傾邪私曲的人,以名義気節激礪之;天下之人,無不入我陶冶中矣。
書き下し
欺詐の人に遇わば、誠心を以て之を感動す。暴戻の人に遇わば、和気を以て之を薫蒸す。傾邪私曲の人に遇わば、名義気節を以て之を激礪す。天下の人、我が陶冶の中に入らざるは無からん。
現代語訳
欺き偽る人に出会えば、誠実な心でこれを感動させる。荒々しく道に背く人に出会えば、和やかな気でこれを蒸し温める。よこしまで私曲な人に出会えば、名分と義と気節でこれを励まし磨く。天下の人で、私の陶冶の中に入らない者はないだろう。
解説
嘘をつく人には誠実さで、荒々しい人には穏やかさで接する。また、よこしまな考えを持つ人には、道理や節度を示すことで、その心を奮い立たせる。これは、相手の欠点と同じ土俵で争うのではなく、あえてその対極にある美徳を差し出すという、人間関係における高度な戦略です。相手が持たないものをこちらが与えることで、相手の心に変化を促し、より良い方向へと導くきっかけを作ることができます。日々の様々な人間関係において、この「逆の力」を意識することは、対立を乗り越え、相互理解を深める上で大きな助けとなるでしょう。
この章句が説くこと
遇欺詐的人以誠心感動之遇暴戻的人以和気薫蒸之