菜根譚 / 前集
「為鼠常留飯,憐蛾不點燈」,古人此等念頭,今人學之,便是一點生生之機。無此,便所謂土木形骸而已。
新字:「為鼠常留飯,憐蛾不点灯」,古人此等念頭,今人學之,便是一点生生之機。無此,便所謂土木形骸而已。
書き下し
「鼠の為に常に飯を留め、蛾を憐れみて燈を点ぜず」。古人の此等の念頭は、今人之を学ばば、便ち是れ一点生生の機なり。此れ無くんば、便ち所謂る土木の形骸のみ。
現代語訳
「鼠のために常に飯を残し、蛾を憐れんで灯をともさない」。古人のこうした心持ちを、今の人が学べば、それが一点の生きた働きとなる。これがなければ、いわゆる土や木でできた抜け殻にすぎない。
解説
鼠のために飯を残し、蛾のために灯を消す。合理的ではありません。しかし、この小さな心遣いがなければ、人は「土や木でできた抜け殻」だと言います。無用に見える優しさが、人を人にしているのです。