菜根譚 / 前集
反己者,觸事皆成藥石;尤人者,動念即是戈矛。一以闢眾善之路,一以導諸惡之源,相去霄壤矣。
新字:反己者,触事皆成薬石;尤人者,動念即是戈矛。一以闢眾善之路,一以導諸悪之源,相去霄壤矣。
書き下し
己に反る者は、事に触れて皆な薬石と成る。人を尤(とが)むる者は、念を動かせば即ち是れ戈矛なり。一は以て衆善の路を闢(ひら)き、一は以て諸悪の源を導く。相い去ること霄壌なり。
現代語訳
自分を省みる者は、事に触れるたびに、すべてが薬となる。人を咎める者は、思いを動かすたびに、すべてが武器となる。一方はあらゆる善への路を開き、一方はあらゆる悪の源を導く。その隔たりは天と地ほどである。
解説
同じ出来事が、自分を省みる人には薬になり、人を咎める人には武器になる。矛先が、自分に向くか、他人に向くか。それだけの違いです。しかし「その隔たりは天と地ほど」。向きが、すべてを決めるのです。