菜根譚 / 前集
反己者,觸事皆成藥石;尤人者,動念即是戈矛。一以闢眾善之路,一以導諸惡之源,相去霄壤矣。
新字:反己者,触事皆成薬石;尤人者,動念即是戈矛。一以闢眾善之路,一以導諸悪之源,相去霄壤矣。
書き下し
己に反る者は、事に触れて皆な薬石と成る。人を尤(とが)むる者は、念を動かせば即ち是れ戈矛なり。一は以て衆善の路を闢(ひら)き、一は以て諸悪の源を導く。相い去ること霄壌なり。
現代語訳
自分を省みる者は、事に触れるたびに、すべてが薬となる。人を咎める者は、思いを動かすたびに、すべてが武器となる。一方はあらゆる善への路を開き、一方はあらゆる悪の源を導く。その隔たりは天と地ほどである。
解説
何か問題が起きた時、その原因を自分自身に問いかけ、改善点を探す人は、すべての経験を学びの糧とします。一方、すぐに他人や状況のせいにし、批判の矛先を外に向ける人は、その出来事を人間関係を壊す武器にしてしまいがちです。同じ出来事でも、自分の内面と向き合うか、外に責任を求めるかで、得られる結果は天と地ほど異なります。日々の出来事を成長の機会と捉えるか、不平不満の種とするかは、私たちの心の持ちよう次第です。
この章句が説くこと
反己者触事皆成薬石尤人者動念即是戈矛矛先の向き