菜根譚 / 前集
德者才之主,才者德之奴。有才無德,如家無主而奴用事矣,幾何不魍魎猖狂。
新字:徳者才之主,才者徳之奴。有才無徳,如家無主而奴用事矣,幾何不魍魎猖狂。
書き下し
徳は才の主なり。才は徳の奴なり。才有りて徳無きは、家に主無くして奴、事を用うるが如し。幾何ぞ魍魎猖狂せざらん。
現代語訳
徳は才の主人である。才は徳の奴僕である。才があって徳がないのは、家に主人がいないのに奴僕が事を取り仕切るようなものだ。どうして化け物が暴れ回らずにいられよう。
解説
どんなに優れた能力や才能も、それを正しく導く誠実さや倫理観がなければ、かえって危険なものになり得ます。まるで、主人のいない家で召使いが勝手に振る舞い、混乱を招くようなものです。能力はあくまで道具であり、それをどう使うかは、その人の人間性や心のあり方に委ねられます。高い能力を持つ人ほど、その力を良い方向へ使うための心の指針が不可欠だと言えるでしょう。
この章句が説くこと
徳者才之主才者徳之奴有才無徳如家無主而奴用事矣