菜根譚 / 前集
霽日青天,倏變為迅雷震電;疾風怒雨,倏轉為朗月晴空。氣機何嘗有一毫凝滯,太虛何嘗有一毫障塞,人之心體,亦當如是。
新字:霽日青天,倏変為迅雷震電;疾風怒雨,倏転為朗月晴空。気機何嘗有一毫凝滞,太虚何嘗有一毫障塞,人之心体,亦当如是。
書き下し
霽日青天も、倏(たちま)ち変じて迅雷震電と為る。疾風怒雨も、倏ち転じて朗月晴空と為る。気機は何ぞ嘗て一毫の凝滞有らんや。太虚は何ぞ嘗て一毫の障塞有らんや。人の心体も、亦た当に是くの如くなるべし。
現代語訳
晴れた青空も、たちまち変じて激しい雷と稲妻となる。激しい風と雨も、たちまち転じて明るい月と晴れた空となる。気の働きに、少しでも滞りがあろうか。大空に、少しでも塞がりがあろうか。人の心のあり方も、こうあるべきだ。
解説
晴れ渡った空が瞬く間に雷雨に変わり、激しい嵐がいつの間にか明るい月夜に変わるように、自然の営みには滞りがありません。私たちの心も、本来は同じように柔軟であるべきだと教えています。怒りや悲しみ、喜びといった感情は、その場で湧き上がり、そして自然に去っていくもの。それを心の中に長く留めてしまうと、淀みとなり、心の動きを重くしてしまいます。感情に囚われすぎず、流れる雲のように受け止め、手放すことで、心は常に軽やかで、新しい状況に対応できる状態を保てるでしょう。
この章句が説くこと
気機何嘗有一毫凝滞人之心体亦当如是留めない