菜根譚 / 前集
當怒火慾水正騰沸處,明明知得,又明明犯著。知的是誰,犯的又是誰,此處能猛然轉念,邪魔便為真君矣。
新字:当怒火慾水正騰沸処,明明知得,又明明犯著。知的是誰,犯的又是誰,此処能猛然転念,邪魔便為真君矣。
書き下し
怒火慾水の正に騰沸する処に当たり、明明として知り得、又た明明として犯し著(つ)く。知るのは是れ誰ぞ、犯すのは又た是れ誰ぞ。此の処に能く猛然として念を転ぜば、邪魔も便ち真君と為らん。
現代語訳
怒りの火と欲の水がまさに沸き立つ時、はっきりと分かっていて、なおはっきりと犯してしまう。知っているのは誰か、犯しているのは誰か。この場面で、猛然と念を転じることができれば、邪魔さえも真の主君となる。
解説
怒りや欲望が湧き上がり、それが良くないと分かっていながら、ついその感情に流されて行動してしまう。この「知っている自分」と「犯してしまう自分」が、実は同じ自分であることに気づく瞬間が重要です。その矛盾にハッと気づき、意識を切り替えることができれば、衝動的な感情さえも、自分を律する力へと変えることができるでしょう。自己を深く見つめ、内なる葛藤を乗り越えることが、真の心の強さにつながるのです。
この章句が説くこと
明明知得又明明犯著知的是誰犯的又是誰分裂への気づき