菜根譚 / 前集
人心一真,便霜可飛,城可摧,金石可貫。若偽妄之人,行骸徒具,真己已亡,對人則面目可憎,獨居則形影自媿。
新字:人心一真,便霜可飛,城可摧,金石可貫。若偽妄之人,行骸徒具,真己已亡,対人則面目可憎,独居則形影自媿。
書き下し
人心一たび真なれば、便ち霜も飛ばすべく、城も摧くべく、金石も貫くべし。若し偽妄の人は、行骸は徒らに具わるも、真己は已に亡ぶ。人に対せば則ち面目憎むべく、独居すれば則ち形影自ら媿ず。
現代語訳
人の心がひとたび真実であれば、霜を飛ばすことも、城を砕くことも、金石を貫くこともできる。もし偽り欺く人であれば、体はいたずらに具わっていても、本当の自分はすでに亡んでいる。人に対すれば顔つきが憎らしく、独りでいれば影に対して自ら恥じる。
解説
真実な心は、城を砕く。偽りの人は、体はあっても、本当の自分は死んでいる。そして「独りでいれば、影に対して自ら恥じる」。誰も見ていなくても、自分は見ている。この恥が、最も逃れがたいのです。