菜根譚 / 前集
居逆境中,周身皆鍼砭藥石,砥節勵行而不覺;處順境內,滿前盡兵刃戈矛,銷膏糜骨而不知。
新字:居逆境中,周身皆鍼砭薬石,砥節勵行而不覚;処順境内,満前尽兵刃戈矛,銷膏糜骨而不知。
書き下し
逆境の中に居らば、周身は皆な鍼砭薬石なり。節を砥ぎ行を励まして覚えず。順境の内に処らば、満前は尽く兵刃戈矛なり。膏を銷し骨を糜(ただ)らして知らず。
現代語訳
逆境の中にいれば、身の回りはみな鍼と薬である。節操を砥ぎ、行いを励まして、それと気づかない。順境の内にいれば、目の前はすべて刃と矛である。脂を溶かし骨を爛れさせて、それと知らない。
解説
困難な状況にいる時、私たちは知らず知らずのうちに精神や行動が鍛えられています。まるで鍼や薬のように、苦しみが成長の糧になっているのです。反対に、すべてが順調で楽な環境にいると、目の前には危険が潜んでいることに気づきにくいもの。油断や慢心によって、いつの間にか自分自身が蝕まれてしまうことがあります。私たちは、苦しい時こそ鍛えられ、楽な時こそ自らを律する意識を持つことが大切です。
この章句が説くこと
居逆境中周身皆鍼砭薬石処順境内満前尽兵刃戈矛