菜根譚 / 前集
聲妓晚歲從良,一世之烟花無礙;貞婦白頭失守,半生之消苦俱非。語云:「看人只看後半截。」真名言也。
新字:声妓晩歳従良,一世之烟花無礙;貞婦白頭失守,半生之消苦倶非。語云:「看人只看後半截。」真名言也。
書き下し
声妓も晩歳に良に従わば、一世の煙花も礙(さまた)げ無し。貞婦も白頭に守を失わば、半生の消苦も俱に非なり。語に云う、「人を看るには只だ後半截を看よ」と。真に名言なり。
現代語訳
芸妓でも、晩年に正しい道に従えば、一生の華やかな過去も妨げにならない。貞淑な婦人でも、白髪になって節を失えば、半生の苦労もすべて無になる。ことわざに「人を見るには、ただ後半だけを見よ」とある。まことに名言である。
解説
人の評価は、過去の経歴や実績だけで決まるものではありません。この言葉は、人生の終盤に至るまで、いかに誠実に生き抜くかが重要だと教えてくれます。たとえ過去に過ちがあっても、晩年に正しい道を選び、努力を続ければ、その生き様は肯定的に評価されるでしょう。逆に、どれほど輝かしいキャリアを築いても、最後の最後で信頼を裏切るような行いがあれば、それまでの積み重ねが台無しになることもあります。常に誠実さを忘れず、最後まで自分らしい道を歩み続けることの大切さを改めて考えさせられます。
この章句が説くこと
看人只看後半截声妓晩歳従良一世之烟花無礙