菜根譚 / 前集
人只一會貪私,便銷剛為柔,塞智為昏,變恩為慘,染潔為污,壞了一生人品。故古人以不貪為寶,所以度越一世。
新字:人只一会貪私,便銷剛為柔,塞智為昏,変恩為惨,染潔為污,壊了一生人品。故古人以不貪為宝,所以度越一世。
書き下し
人は只だ一たび貪私を会(かい)せば、便ち剛を銷して柔と為し、智を塞ぎて昏と為し、恩を変じて惨と為し、潔を染めて汚と為す。一生の人品を壊了す。故に古人は不貪を以て宝と為す。一世を度越する所以なり。
現代語訳
人はひとたび貪りと私心を覚えると、剛毅さを溶かして軟弱にし、知恵を塞いで愚かにし、恩を変えて残酷にし、清潔を染めて汚れにする。一生の人品を壊してしまう。だから古人は、貪らないことを宝とした。一世を超え出る理由である。
解説
人が一度、貪欲さや私利私欲に囚われると、その影響は計り知れません。本来持っていた強い意志は弱まり、賢明な判断力は曇り、人への思いやりは冷酷さに変わり、清らかな心は汚れてしまうでしょう。たった一つの欲望が、その人の人間性全体を蝕み、一生を台無しにしてしまう可能性さえあります。何かを得ようとするあまり、本当に大切なものを失わないよう、自分の心を見つめることが重要です。
この章句が説くこと
人只一会貪私便銷剛為柔塞智為昏古人以不貪為宝