菜根譚 / 前集
名根未拔者,縱輕千乘甘一瓢,總墮塵情;客氣未融者,雖澤四海利萬世,終為賸技。
新字:名根未抜者,縦軽千乗甘一瓢,総堕塵情;客気未融者,雖沢四海利万世,終為賸技。
書き下し
名根未だ抜けざる者は、縦い千乗を軽んじ一瓢に甘んずるも、総て塵情に堕つ。客気未だ融けざる者は、四海に沢し万世に利すと雖も、終に賸技(じょうぎ)と為る。
現代語訳
名誉への根がまだ抜けない者は、たとえ千乗の国を軽んじ、一杯の水に甘んじても、すべて俗情に落ちる。借り物の気がまだ溶けない者は、四海に恵みを施し万世に利をもたらしても、結局は余計な技となる。
解説
たとえ隠遁生活を送っても、心に名誉欲が残っていれば、それは俗っぽい生き方になってしまいます。また、どれほど大きな功績を上げても、その根底に驕りや見栄といった「借り物の気」が残っていれば、結局は表面的なものに過ぎません。大切なのは、行動の裏にある真の動機や心のあり方です。外見上の振る舞いや成果よりも、内面の純粋さや誠実さこそが、本当の価値を生み出す源となるでしょう。
この章句が説くこと
名根未抜者縦軽千乗甘一瓢総堕塵情客気未融者終為賸技