菜根譚 / 前集
欹器以滿覆,撲滿以空全。故君子寧居無不居有,寧處缺不處完。
新字:欹器以満覆,撲満以空全。故君子寧居無不居有,寧処欠不処完。
書き下し
欹器(きき)は満つるを以て覆り、撲満は空しきを以て全し。故に君子は寧ろ無に居りて有に居らず、寧ろ欠に処りて完に処らず。
現代語訳
傾く器は満ちることで覆り、貯金箱は空であることで壊れずにいる。だから君子は、むしろ無に居って有に居らず、むしろ欠けた状態にいて完全な状態にいない。
解説
満たされた器は傾き、中身のない貯金箱は壊されずに残る。これは、物事が完璧に満ち足りた状態にある時こそ、かえって危険が潜むことを示唆しています。私たちは、あえて未完成な部分を残したり、少し余裕を持たせることで、予期せぬ変化に対応し、リスクを回避できることがあります。常に満点を目指すのではなく、あえて「八分目」で止める意識が、かえって長く安定した状態を保つ秘訣となるでしょう。
この章句が説くこと
欹器以満覆撲満以空全寧居無不居有寧処欠不処完