菜根譚 / 前集
心地清淨,方可讀書學古。不然,見一善行,竊以濟私,聞一善言,假以覆短,是又藉寇兵而齎盜糧矣。
新字:心地清浄,方可読書學古。不然,見一善行,竊以済私,聞一善言,仮以覆短,是又藉寇兵而齎盗糧矣。
書き下し
心地清浄にして、方に書を読み古を学ぶべし。然らずんば、一善行を見て、竊かに以て私を済(な)し、一善言を聞きて、仮りて以て短を覆う。是れ又た寇に兵を藉し盗に糧を齎(もたら)すなり。
現代語訳
心が清浄であって、初めて書を読み古を学べる。そうでなければ、一つの善行を見ては、ひそかに私欲を満たすのに使い、一つの善言を聞いては、借りて自分の欠点を覆い隠す。これでは、敵に武器を貸し、盗人に食糧を届けるようなものだ。
解説
学問が、悪を助けることがある。善い言葉を覚えて、自分の欠点を隠す道具にする。「敵に武器を貸す」。知識そのものは中立です。心が濁っていれば、知識は正当化の道具になる。学ぶ前に、動機を問うのです。