菜根譚 / 前集
人之際遇,有齊有不齊,而能使己獨齊乎?己之情理,有順有不順,而能使人皆順乎?以此相觀對治,亦是一方便法門。
新字:人之際遇,有斉有不斉,而能使己独斉乎?己之情理,有順有不順,而能使人皆順乎?以此相観対治,亦是一方便法門。
書き下し
人の際遇は、斉しき有り斉しからざる有り。而して能く己をして独り斉しからしめんや。己の情理は、順なる有り順ならざる有り。而して能く人をして皆な順ならしめんや。此を以て相い観、対治するも、亦た是れ一の方便法門なり。
現代語訳
人の巡り合わせは、恵まれるものもあれば恵まれないものもある。それなのに、自分だけを恵まれたものにできようか。自分の思いや道理も、順調なものもあれば順調でないものもある。それなのに、人をみな順調にさせられようか。こう照らし合わせて対処するのも、一つの便法である。
解説
人生には良い巡り合わせもあれば、そうでない時もあります。自分だけが常に恵まれ、順調であることはあり得ません。また、自分の考えや感情が常にスムーズにいくわけではないのに、他人にばかり完璧な理解や協力を求めるのは無理があるでしょう。この教えは、自分と他者の状況を冷静に比較し、現実を受け入れることの重要性を説いています。自分にできないことを他者に期待していないか。この非対称性に気づけば、過度な要求を手放し、不必要なストレスから解放され、心穏やかに日々を過ごすための知恵となるでしょう。
この章句が説くこと
人之際遇有斉有不斉而能使己独斉乎以此相観対治