菜根譚 / 前集
福莫福於少事,禍莫禍於多心。唯苦事者,方知少事之為福;唯平心者,始知多心之為禍。
書き下し
福は事少なきより福なるは莫し。禍は心多きより禍なるは莫し。唯だ事に苦しむ者のみ、方に事少なきの福為るを知る。唯だ心平らかなる者のみ、始めて心多きの禍為るを知る。
現代語訳
福は、事が少ないことに勝る福はない。禍は、心配事が多いことに勝る禍はない。ただ事に苦しむ者だけが、事が少ないことの福を知る。ただ心が平らかな者だけが、心配事が多いことの禍を知る。
解説
現代ビジネスにおいて、多くのタスクや情報に追われる中で、本当に価値あるのは「事の少なさ」かもしれません。無数のプロジェクトや情報過多は、かえって組織の集中力を奪い、従業員の心に負担をかけがちです。真の生産性や幸福は、不要なものを削ぎ落とし、本質的な業務に集中できる環境から生まれることを、多忙を極めた経験から再認識する機会となるでしょう。
この章句が説くこと
福莫福於少事禍莫禍於多心少事之為福何もないことの価値