菜根譚 / 前集
人人有個大慈悲,維摩屠劊無二心也;處處有種真趣味,金屋茅簷非兩地也。只是慾蔽情封,當面錯過,便咫尺千里矣。
新字:人人有個大慈悲,維摩屠劊無二心也;処処有種真趣味,金屋茅簷非両地也。只是慾蔽情封,当面錯過,便咫尺千里矣。
書き下し
人人に個の大慈悲有り。維摩と屠劊と二心無きなり。処処に種の真趣味有り。金屋と茅簷と両地に非ざるなり。只だ是れ慾に蔽われ情に封ぜられ、面に当たりて錯り過ぐ。便ち咫尺も千里なり。
現代語訳
人には誰にも大いなる慈悲がある。維摩居士と屠殺者に、二つの心はない。どこにも真の趣がある。黄金の家と茅葺きの軒は、二つの場所ではない。ただ欲に覆われ情に閉ざされて、目の前で見過ごしてしまう。それで、すぐ近くが千里の彼方となる。
解説
組織内のあらゆる立場の人々、あるいは異なる事業領域や文化の中にも、共通の価値や本質的な魅力が存在します。しかし、リーダーが自身の欲求や固定観念に囚われていると、目の前にある潜在的な可能性や、部下たちの隠れた才能を見過ごしてしまうことがあります。表面的な違いにとらわれず、本質を見抜く洞察力を養うことが、多様な人材や機会を活かす上で不可欠です。
この章句が説くこと
人人有個大慈悲只是慾蔽情封当面錯過便咫尺千里矣