菜根譚 / 前集
利慾未盡害心,意見乃害心之蟊賊;聲色未必障道,聰明乃障道之藩屏。
新字:利慾未尽害心,意見乃害心之蟊賊;声色未必障道,聰明乃障道之藩屏。
書き下し
利慾は未だ尽くは心を害せず。意見は乃ち心を害するの蟊賊なり。声色は未だ必ずしも道を障(さえぎ)らず。聡明は乃ち道を障るの藩屏なり。
現代語訳
利欲は、まだ心を害し尽くさない。自分の意見こそ、心を害する虫である。声や色は、必ずしも道を遮らない。聡明さこそ、道を遮る垣根である。
解説
欲より、意見のほうが危ない。快楽より、聡明さのほうが危ない。逆説的です。欲や快楽は、自分でも悪いと分かる。しかし「自分の意見」と「自分の賢さ」は、正しいと思っている。だから疑われず、深く根を張るのです。