菜根譚 / 前集
飽後思味,則濃淡之境都消;色後思淫,則男女之見盡絕。故人常以事後之悔悟,破臨事之癡迷,則性定而動無不正。
新字:飽後思味,則濃淡之境都消;色後思淫,則男女之見尽絶。故人常以事後之悔悟,破臨事之癡迷,則性定而動無不正。
書き下し
飽後に味を思えば、則ち濃淡の境都(すべ)て消ゆ。色後に淫を思えば、則ち男女の見尽く絶ゆ。故に人は常に事後の悔悟を以て、事に臨むの癡迷を破らば、則ち性定まりて動くこと正しからざる無し。
現代語訳
満腹の後に味を思えば、濃い薄いの区別はすべて消える。情事の後に淫らさを思えば、男女の分別はすべて絶える。だから人は常に、事の後の悔いと悟りをもって、事に臨む時の迷いを破れば、本性が定まり、動いて正しくないことがない。
解説
満腹の時に、ごちそうへの執着は消えます。冷めた後で、あれほど欲しかったものが、色褪せて見える。「事の後の悔いと悟りをもって、事に臨む時の迷いを破る」。冷めた時の感覚を、熱くなっている時に思い出せるか。それが自制です。