菜根譚 / 前集
作人無甚高遠事業,擺脫得俗情,便入名流;為學無甚增益工夫,減除得物累,便超聖境。
新字:作人無甚高遠事業,擺脫得俗情,便入名流;為学無甚增益工夫,減除得物累,便超聖境。
書き下し
人と作(な)るに甚だ高遠なる事業無し。俗情を擺脱(はいだつ)し得ば、便ち名流に入る。学を為すに甚だ増益の工夫無し。物累を減除し得ば、便ち聖境を超ゆ。
現代語訳
人となるのに、特に高遠な事業は要らない。俗な情を振り払えれば、それで一流の人物に入る。学問をするのに、特に付け加える工夫は要らない。物への執着を減らせれば、それで聖人の境地を超える。
解説
現代のビジネス環境では、新しい知識やスキルを「足す」ことに意識が向きがちですが、本質的な成長は「引く」ことにあると示唆しています。リーダーシップにおいても、余計なプライドや固定観念、あるいは過剰な情報や業務への執着を手放すことで、本当に重要なことや自身の核となる価値観が明確になります。不要なものを削ぎ落とす「引き算の思考」は、複雑な状況をシンプルにし、本質を見抜く力を養う上で有効なアプローチです。
この章句が説くこと
擺脱得俗情便入名流減除得物累便超聖境足すのではなく引く