菜根譚 / 前集
藜口莧腸者,多冰清玉潔;袞衣玉食者,甘婢膝奴顏。蓋志以澹泊明,而節從肥甘喪也。
新字:藜口莧腸者,多冰清玉潔;袞衣玉食者,甘婢膝奴顏。蓋志以澹泊明,而節従肥甘喪也。
書き下し
藜口莧腸の者は、多く冰清玉潔なり。袞衣玉食の者は、婢膝奴顔を甘んず。蓋し志は澹泊を以て明らかにして、節は肥甘に従いて喪(うしな)わるるなり。
現代語訳
粗食に甘んじる者は、多くが氷のように清く玉のように潔い。豪華な衣を着て美食する者は、へつらい媚びることを甘んじて受ける。思うに、志は淡白であることで明らかになり、節操は美食と贅沢によって失われるのである。
解説
リーダーの志の高さと節操は、物質的な豊かさへの執着と反比例することがあります。豪華な生活に慣れると、それを失うことを恐れ、不本意な妥協や迎合に走りやすくなります。一方で、質素な生活に満足できる「淡白」な精神を持つリーダーは、失うものが少ないため、信念を貫きやすいものです。精神的な自由と独立性を保つ上で、生活の質素さが、倫理的なリーダーシップの基盤となり得ることを示唆しています。
この章句が説くこと
志以澹泊明而節従肥甘喪也藜口莧腸者多冰清玉潔