菜根譚 / 前集
疾風怒雨,禽鳥戚戚;霽日光風,草木欣欣。可見天地不可一日無和氣,人心不可一日無喜神。
新字:疾風怒雨,禽鳥戚戚;霽日光風,草木欣欣。可見天地不可一日無和気,人心不可一日無喜神。
書き下し
疾風怒雨には、禽鳥も戚戚たり。霽日光風には、草木も欣欣たり。見るべし、天地は一日も和気無かるべからず、人心は一日も喜神無かるべからざるを。
現代語訳
激しい風と雨には、鳥も悲しげである。晴れた日と穏やかな風には、草木も喜ばしげである。ここから分かる。天地は一日も和やかな気を欠いてはならず、人の心は一日も喜びの心を欠いてはならない。
解説
リーダーの醸し出す雰囲気は、組織全体の士気や生産性に大きな影響を与えます。嵐のような厳しさばかりでは、チームは萎縮し、創造性も失われがちです。むしろ「晴れた日と穏やかな風」のように、和やかで前向きな「気」を意識的に作り出すことが重要です。厳しさも必要ですが、それ以上に、メンバーが安心して力を発揮できる「喜びの心」を育む環境を整えることが、持続的な成長には不可欠でしょう。
この章句が説くこと
疾風怒雨禽鳥戚戚人心不可一日無喜神空気が気分を変えるダイバーシティ謙虚
関連する章句
-
論語・雍也篇子曰わく、知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。知者は動き、仁者は静かなり。知者は楽しみ、仁者は寿(なが)し。
-
『韓非子』大體第二十九太山は好惡を立てず、故に能く其の高を成す。江海は小助を擇ばず、故に能く其の富を成す。
-
十七条憲法 第十条忿(こころ)を絶(た)ち瞋(いか)りを棄(す)て、人(ひと)の違(たが)うを怒(いか)らざれ。人皆(みな)心(こころ)有り、心各(おのおの)執(と)れること有り。彼(かれ)是(ぜ)なれば則(すなわ)ち我(われ)非(ひ)なり、我(われ)是(ぜ)なれば則(すなわ)ち彼(かれ)非(ひ)なり。我必(かなら)ずしも聖(ひじり)に非(あら)ず、彼必(かなら)ずしも愚(ぐ)に非(あら)ず。共(とも)に是(こ)れ凡夫(ぼんぷ)のみ。是非(ぜひ)の理(ことわり)、誰(たれ)か能(よ)く定(さだ)むべき。相(あい)共(とも)に賢愚(けんぐ)なること、環(たまき)の端(はし)無(な)きが如(ごと)し。是(ここ)を以(もっ)て彼の人怒(いか)ると雖(いえど)も、還(かえ)って我が失(あやまち)を恐(おそ)れよ。我独(ひと)り得(え)たりと雖(いえど)も、衆(しゅう)に従(したが)いて同(とも)に挙(おこな)え。
-
史記 魏公子列伝魏の公子無忌は、魏の昭王の少子にして魏の安釐王の異母弟なり。昭王薨じ、安釐王即位し、公子を封じて信陵君と為す。是の時、范睢魏を亡げて秦に相たり、魏斉を怨むの故を以て、秦の兵大梁を囲み、魏の華陽の下の軍を破り、芒卯を走らす。魏王及び公子これを患ふ。公子は人と為り仁にして士に下り、士は賢不肖と無く皆謙りて礼もてこれに交はり、敢へてその富貴を以て士に驕らず。士は此を以て方数千里争ひ往きてこれに帰し、食客三千人を致す。是の時に当たりて、諸侯は公子の賢にして客多きを以て、敢へて兵を加へて魏を謀らざること十余年。
-
『驢鞍橋』卷上夜話に曰く、今時の人すべを知らす、餓鬼畜生をさへ離れすして、二乗見解と云つて声聞縁覚をそしる人あり、あまり土な事なり。人は知らず、我は餓鬼畜生を離れす、誰ほしと云はば、おれほしと云はんずと也。因に人問ふ、日本諸宗の大師先徳に、古は大修行底の人有りや。師曰、知らぬ事なり、残されたる法語等を以て見れば、経文語録の格を以て書示されたると見えたり。実に修行强き人有りとも見えすと也。
-
『文武訓』文訓上之末一人は只、わが身をかへりみて、わが身のさかしおろかなると、才あるとつたなきとのほどを知りて、つねに人にへりくだり、わが身にほこるべからず。才智ありてもなくしても、わが身にほこりたかぶり、人をこのんで見くだし、又そしるは罪ふかし。いとおろかなりといふべし。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る